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ブランディング

2022年9月27日

中小企業が取り組むべきブランディングのポイントとは 中編

前編では、市場環境の変化によるブランディングの必要性と、実行におけるハードルの高さについて説明しました。中編では、実際に中小企業が実行すべきブランディングの優先順位について解説していきたいと思います。

ブランディングの種類

ブランディングは実施の目的によって、2つに大きく分けることができます。

1つ目は、「エクスターナルブランディング」と呼ばれ、企業ロゴのようにブランドをビジュアル化し消費者や社会などの幅広い人とコミュニケーションを取るために行われるブランディングです。

2つ目は、社内にいる従業員とのコミュニケーションを取るために行われる「インターナルブランディング」です。インターナルブランディングを行うことで会社全体が同じ方向に向かい、会社としてのパワーが発揮されるようになったり、従業員のモチベーションをあげる効果などが期待され、結果的に自社の商品・サービスの質の向上に繋がります。

この2つのブランディングはどちらとも重要で、バランスをとりながら両輪で実行することがポイントになります。実行することがリソース的に難しい場合は、優先順位を決めて実行することをオススメしています。

ブランディングの優先順位

●「BtoC」で商品(モノ)を提供している場合

商品(形があるもの)を販売していることから、商品のロゴや名前、パッケージなどが消費者への認知と連想するイメージに繋がり購買行動に大きく影響します。そのためブランディング開始直後には、多くの利益を獲得するためにエクスターナルブランディングを実践し、消費者や社会に対して自社の商品の認知度アップと商品の正しい理解を促進します。

その後、商品に対する消費者の期待を裏切らないために、従業員の教育を目的とした社内向けのブランディングを並行して進めていき社内の士気を高めるとともに商品の価値も高めていきます。

●「BtoB」でサービスを提供している場合

BtoBでは、顧客との接点となる従業員の対応が企業の評価に直接繋がります。そのためインターナルブランディングから開始し、自社が大切にしているブランドとしての存在意義や企業理念を社内で共有。経営者、経営幹部、従業員の考え方や行動を一貫したものへと育成していきます。

特に中小企業の場合は、広告宣伝によるマーケティングよりも従業員たちの営業活動が顧客開拓につながるケースが多く、接客や顧客への対応によってお客様からの信用・信頼を得ることが、リピートや紹介を獲得することになります。なので社内向けのブランディングの方が、収益性を高めることにつながっていきます。

ブランドは「売る」ではなく、「売れる」ための求心力

ブランディングを行うことで企業が目指すゴールは、「売る」という行為がなくなり、「売れる」仕組みを作りそこにお客様や仲間(従業員)が集まってきてくれるということです。なので、ブランディングを実行することによって、営業スタンスを「企業側から顧客に対して積極的なアプローチをする方法(PUSH型)」から「顧客側からアプローチをしてもらう方法(PULL型)」へ切り替えていきます。

これは顧客側からのアプローチを「待つ」ということではなく、積極的に「引き寄せる」仕組みを構築するということです。

その結果、「売れる」仕組みができているブランドには人を引き寄せる求心力が備わっていきます。

そして究極のブランド企業とは、お客様が行列をつくり自社の商品やサービスを待ってくれている企業であり、従業員が自社で働けることに誇りを持ち、仲間と仕事をすることにワクワクするような企業です。

存在意義や提供価値で違いをつくる

お客様や仲間を引き寄せる「求心力」となるものは、企業としての存在意義であったり、他社にはない独自の提供価値です。

存在意義や提供価値というと、現時点での自社では、そこまでの違いを生み出せる気がしないと難しく感じるかもしれません。ですが、たった一人であっても自社の存在や提供する価値に対して、喜んでくれるお客様がいるのであれば、ブランド企業となるための「原石」(手がかり)があると思ってください。その小さな原石を見つけ、磨き続けることで、ブランド企業として求心力を高め、輝くことができるのです。

次回

次回は「中小企業が取り組むべきブランディングのポイントとは 後編」

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